CATBIRD変換を訂正します

宇宙の中で、ここは静止していると言える一点を、示すことが出来るでしょうか。その一点を示すことが出来なければ、物質の運動は「相対的なもの」となります。私が前に歩いたのか、私以外の全宇宙が後ろに動いたのか分りません。一方が静止していると考えると他方は運動している、逆に他方が静止していると考えると、一方は静止していることになります。「静止系」を発見出来なければ、全ての慣性系は、静止から光速までどの速度で移動しているとも考えることが出来る為、平等なものとなります。

空間が何も無い「真に空な空間」であれば、その位置を考えることは出来ません。空間を基準にして、物質はどれだけ移動したかを知ることは出来ません。しかし、現実の空間は、光や重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力を一定速度で伝えます。よって、空間に静止点の印を付けることが出来ます。つまり、現在の光の位置から−Ct遡った出発点が絶対静止の一点です。空間には光と4つの力を一定速度で伝える「実体」があります。光を一定速度で伝えるので、光の動きを観察すれば、「実体」の位置を特定することが出来ます。その実体が静止系です。

超ひも理論では、物質・光・4つの力として超ひもが振動している時、その超ひもは、物質・光・重力・電磁力・強い力・弱い力として観測されます。振動していない時、真空と観察されます。つまり、何も無いと思われている真空中にも、振動していない超ひもが存在しています。その超ひもの上を、物質・光・重力・電磁力・強い力・弱い力は振動として伝播します。空間にある光と4つの力を一定速度で伝える実体は、「超ひもの網」であることが分ります。超ひもの無い空間では、物質・光・重力・電磁力・強い力・弱い力は存在しません。それらを伝える「実体」が無いからです。宇宙空間の中でこの「超ひもの網」がどの様に移動していたとしても、「超ひもの網」の中で起こる物理現象には影響しません。「超ひもの網」が静止系です。

百年程前、「実体」をエーテルと考え、物質はエーテルの中を移動すると仮定し、失敗しました。物質がエーテルを押しのける際生じる、エーテルの乱れを観測することが出来ませんでした。しかし、物質も振動として「超ひもの網」上を伝わると考えると、媒体に乱れは生じません。物質自体も超ひもの振動なので、超ひもを乱すことはありません。

加速や遠心力により、物質にGが掛かります。静止系を示すことが出来なければ、運動は相対的なものとなります。一方が運動していると考えると、他方は静止しており、逆に一方が静止していると考えると他方は運動していることとなります。では、今まで加速運動又は円周運動をしていてGが掛かっていた物質を、今度は静止していると考えるとGは消えるのでしょうか。実際にはその様な事は無く、Gは「何か」を基準とした物質の速度に応じた強さで掛かります。その「何か」とは他の物質でしょうか。この宇宙に粒子が1粒のみになったと想定します。他に物質は無く、その粒子は運動していると定義することが出来ません。しかし、その粒子には運動に応じたGが掛かります。物質は無いのですから、その「何か」は物質ではありません。真空中に存在する「何か」との位置関係に応じてGが掛かります。真空中には「超ひもの網」しかありません。従って、それがその「何か」で静止系です。

物質も含めて全てのものは、「超ひもの網」上を振動として伝わります。超ひもの振動の伝わる速さが光速Cです。光と物質を動かす4つの力は、そのまま光速で伝わります。物質は静止から光速Cまで様々な速度で伝わります。

では、物質が高速で移動すると何が起こるか検証します。
超ひもの網上では、物質・光・4つの力は光速C以上で伝わる事はで来ません。超ひもの振動自体が光速Cで伝わるからです。従って、速度Vで移動する慣性系(V慣性系と呼ぶ)では、同じ量のエネルギーを与えても、増す速度は小さな値となります。物質は動き難くなり、横方向(進行方向)には1/√(1−V^2/C^2)^3、縦方向には1/√(1−V^2/C^2)、質量が増加した様に振舞います。これを、縦質量の増加・横質量の増加と言います。移動する物質を構成する粒子は静止時に比べて、縦方向へは√(1−V^2/C^2)、横方向へは√(1−V^2/C^2)^3しか動かなくなります。

また、マイケルソンとモーレーの実験により、物質を構成する粒子間の距離は、縦方向へ√(1−V^2/C^2)、横方向へ(1−V^2/C^2)収縮することが分かります。粒子間の距離が収縮すると、少しの動きで粒子同士は結合することが出来る様になります。この2つの効果を合わせると、高速運動により粒子は動きにくくなっても、粒子の少しの動きで物質反応は進むこととなります。
横方向の物質反応速度={1/√(1−V^2/C^2)^3}*(1−V^2/C^2)=1/√(1−V^2/C^2)倍
縦方向の物質反応速度={1/√(1−V^2/C^2)}* √(1−V^2/C^2)=1倍
進行方向との角度をθとすると、
√(x’^2+y’^2+z’^2)=√{( x/√(1−V^2/C^2))^2+y^2+z^2}に、x=(C*cosθ) /√(1−V^2/C^2)、y=C*sinθ、z=0(平面で考えます)を代入すると、
θ方向への物質反応速度={√(C^2−V^2*sinθ^2)/C*√(1−V^2/C^2)}倍
となります。
そうすると何が起こるでしょうか。自分が、ぜんまいで動くロボットだと考えて見てください。ぜんまいが緩んで自分の動きがゆっくりとなりました。他の者を見ると、以前に比べ早く動いています。あたかも、他の者に流れる時間が速くなった様に見えます。しかし、他の者が私を見ると、私の動きがゆっくりとなっただけであることが分ります。自分の動きがゆっくりとなったので、主観的に外に流れている時間の経過が、速くなったように感じます。しかし、実際には時間の経過は変わっていません。これを、主観的時間の変化と呼びます。
従って、
①t’= t*{√(C^2−V^2*sinθ^2)/C*√(1−V^2/C^2)}
と時間は主観的に変換されます。
物質時間は、t’= t*{√(C^2−V^2*sinθ^2)/√(1−V^2/C^2)}と、ゆっくり経過する様になります。すると、V慣性系の観測者が1秒と認識する時間は、√(C^2−V^2*sinθ^2)/ C*√(1−V^2/C^2)秒となります。その間に光と4つの力は「超ひもの網」上を、√(C^2−V^2*sinθ^2)/√(1−V^2/C^2)キロメートル伝わります。  
同方向へは、光や4つの力全てが観測者の1秒間に同じ距離を伝わるので、その距離をV慣性系の観測者はCキロメートルと定義します。これを主観的空間の変化と呼びます。
従って空間は、
x’=x/√(1−V^2/C^2)
y’= y
z’= z
と主観的に変換されます。すると、超ひもの網の大きさは、
②x’=x/√(1−V^2/C^2)
③y’= y
④z’= z
距離γ’=γ*{√(1−V^2/C^2) /√(C^2−V^2*sinθ^2)}
と表記されます。
①から④をCATBIRD第一変換と呼びます。

物質が動くと、内部の粒子Bから出発した4つの力が、内部の粒子Aに到達するのに要する時間が変わります。粒子Bが粒子Aの進行方向にある時、粒子Aの波と4つの力の波は向き合う形となり、速く出会います。粒子Bが後方にある時、4つの力の波は粒子Aの波を追いかける形となり、遅く出会います。物質を動かす力が到達する時間が変化する為、この効果により物質反応速度が変化する様に思えます。しかし、粒子間の距離は、縦方向へ√(1−V^2/C^2)、横方向へ(1−V^2/C^2)収縮します。すると、4つの力の往復に要する時間は静止時と同一となります。粒子間を4つの力が往復することにより、粒子間に作用・反作用が生じ粒子は動きます。従って、この効果によっては物質の反応速度に変化は生じません。
⑤t’=t
です。
観測者はVtキロメートル移動するので、光と4つの力は
x方向へは、(Ct−Vt)*cosθ
y方向へは、Ct*sinθ
z方向へは、0
移動します。従って観測者に光は√(C^2+V^2−2CV*cosθ)*tキロメートル移動した様に思えます。この時、同方向への全ての光と4つの力は同じ距離を移動します。従って、√(C^2+V^2−2CV*cosθ)キロメートルをCキロメートルと主観的に定義します。
従って変換式は、
⑥x’=C/(x−Vt)
⑦y’=y
⑧z’=z
距離γ’=C/√(C^2+V^2−2CV*cosθ)*γ
です。⑤から⑧をCATBIRD第二変換式と呼びます。

マイケルソンとモーレーの実験から分かること
マイケルソンとモーレーは、鏡を使って横方向(進行方向)と縦方向とに、光を片道11mの距離を往復させ、両者異なる時間で戻って来るか実験しました。地球が静止していれば、双方の光はどちらも22mの距離を進み、同時に戻って来ます。しかし、地球が速度Vで移動すると、光の進む距離は、横方向の往復距離=22/√(1−V^2/C^2)m、縦方向の往復距離22/(1−V^2/C^2)mと異なってきます。実験の結果、距離は異なると思われるのに、光は同時に戻って来ました。

物質を構成する粒子同士は、くっ付き合っている訳ではありません。粒子間には引力と斥力とが働き、その両者が釣り合う一定距離を保っています。静止時には、Cキロメートルで引力と斥力が釣り合っており、粒子間はその距離を保っていたと仮定します。静止時、引力と斥力は2秒で粒子間を往復します。物質が速度Vで移動すると、縦方向は、粒子間の相対距離が√(C^2−V^2) キロメートルの時、引力と斥力が辿る距離がCキロメートルとなり、釣り合います。Cキロメートルが√(C^2 −V^2) キロメートルとなったので、縦方向の収縮率は√(1−V^2/C^2)です。

横方向は、前方の粒子に引力と斥力が届くにはC/(C−V)秒、後方の粒子に届くにはC/(C+V)秒、往復では
C/(C−V)+ C/(C+V)=2C^2/( C^2−V^2)秒です。
これが往復2秒の距離となるには、距離は( C^2−V^2)/ C^2=(1−V^2/C^2)縮まる必要があります。従って横方向へは、収縮率は(1−V^2/C^2)です。

マイケルソンとモーレーが実験に使った装置は、縦方向へ√(1−V^2/C^2)、横方向へ(1−V^2/C^2)収縮しました。従って、
縦方向の光の往復距離は、22/√(1−V^2/C^2)m×√(1−V^2/C^2)=22m
横方向の光の往復距離は、22/(1−V^2/C^2) m×(1−V^2/C^2)=22m
双方の光の往復距離は、静止時と同じ22mであるので、光は同時に戻って来たのです。

第一変換式と第二変換式とを統合すると、
⑨t’= t*{√(C^2−V^2*sinθ^2)/C*√(1−V^2/C^2)}
⑩x’= C/(x−Vt)*√(1−(V^2/C^2))
⑪y’= y 
⑫z’= z 
⑬距離γ’= γ*{√(1−V^2/C^2) /√(C^2−V^2*sinθ^2)* √(C^2+V^2−2CV*cosθ)}
となります。これをCATBIRD変換と呼びます。

V慣性系の観測者Aに、光(x’,y’,z’)は
⑭√(x’^2+y’^2+z’^2) キロメートル=√(C^2+V^2−2CV*cosθ)*tキロメートル
進むと観測されるはずです。
しかし、時間tは⑨より、
t={t’*C*√(1−V^2/C^2)}/ √(C^2−V^2*sinθ^2)
に、距離γは⑬より、
γ= γ’*{√(C^2−V^2*sinθ^2)* √(C^2+V^2−2CV*cosθ)/ √(1−V^2/C^2) }
と主観的に変換されて表記されます。従って、光(x’,y’,z’)の変換後の表記は、
⑭=√(C^2+V^2−2CV*cosθ)*[{t’*C*√(1−V^2/C^2)}/ √(C^2−V^2*sinθ^2)] *[{√(C^2−V^2*sinθ^2)* √(C^2+V^2−2CV*cosθ)/ √(1−V^2/C^2) }]=Ct’キロメートル
となり、光は主観的にCキロメートル/秒と観測されます。
速度Vで移動すると、光の進む距離は√(x^2+y^2+z^2)= √(C^2+V^2−2CV*cosθ)*tと観測されますが、時間と空間の表記が変換され、√(x’^2+y'^2+z’^2)=Ct’となるのです。その様な変換式を求める必要があります。
ローレンツ変換は、始めから√(x^2+y^2+z^2)=C*tと仮定し、時間と空間が変換されても、√(x’^2+y’^2+z’^2)=C*t’となる変換式を求めています。元々光の速度はCと観測されていたことを前提とし、時間がα倍に変化したら、距離もα倍となる式を求めています。速度C×時間=距離なので、速度C×α時間=α距離であるので、光速度は常にCと言う論法です。
この変換式では、高速移動により√(C^2+V^2−2CV*cosθ)キロメートル/秒と観測される光の速度は、変換後も√(C^2+V^2−2CV*cosθ)キロメートル/秒と表記され、Cキロメートル/秒となることはありません。