双子のパラドックスの問題の解法

双子の内の1人が20歳の時、ロケットに乗り40年間(地球上の時間)光速の√(15)/4のスピードで宇宙を旅行した。再び地球に戻って来て、もう一人に再会した。再開した時の二人の年齢は何歳か。

答え:CATBIRD第一変換式より、ロケットの中の時間は40×√(1−√(15)^2/4^2)=10年となる。パイロットの見かけ上の年齢は、20+10=30歳である。地球に居たもう1人の年齢は、20+40=60歳である。

解説
CATBIRD第一変換式は、高速移動に伴う質量増加の効果を、
t’=t/√(1−V^2/C^2)
x’=x/√(1−V^2/C^2)
y’=y/√(1−V^2/C^2)
z’=z/√(1−V^2/C^2)
と表わしています。高速移動により、物質を構成する粒子の質量が増加し、粒子はゆっくりとしか動けなくなる為、物質の反応速度が遅くなります。人は、ゆっくりと動き・思考し・年を取る様になります。その人の持っているあらゆる時計も、ゆっくりと時を刻みます。C*√(15)/4の速度で移動する人の1秒は、静止時の4秒となります。
双方の時刻がずれるだけで、再開すればその時刻は一致し、双方の年齢は同一となるとする考え方があります。しかし、パイロットの肉体の物質変化の速度は1/4と遅くなっており、2人の年の取り方には差が生じます。従って、再開した時の年齢も異なってきます。

ローレンツ変換は、正変換及び逆変換出来ると言う要請から導かれるのではありません。

ローレンツ変換は、この前の日記に記した通り、高速移動に伴う物質の質量増加、物質を動かす4つの力の到達時間の変化、及び物質の収縮により導くことが出来ます。しかし、ローレンツ変換を、正変換及び逆変換が出来ると言う要請から導こうとする考え方があります。
絶対静止の一点を示すことが出来なければ、全ての運動は相対的なものとなります。私が前に歩いたのか、全宇宙が後ろに動いたのか分りません。Aが速度Vで動いていると考えると、Bは静止していることになります。逆に、Bが速度−Vで動いていると考えると、Aは静止していることになります。
従って静止系を特定出来なければ、光を変換しても逆変換しても、その速度がCとなることが要件となります。この要件より、ローレンツ変換を導けるとする考え方があります。
宇宙の中で、物質・光・4つの力の無い部分(真空)が真に何も無い空間であれば、絶対静止の一点を示すことは出来ません。何もない空間は、その位置を考えることが出来ないからです。又、物質・光・4つの力は移動するので、どれが静止しているのか特定することは出来ません。

しかし、一見真空と観測されても、そこには何かがあり特性を持っていれば、空間の位置を考えることが出来ます。超ひもが振動している時、その部分は物質・光・4つの力として観測されます。振動していない時、その部分は真空と観測されます。真空と観測されても、そこには超ひもが存在しています。光と4つの力は、この超ひも上を伝わります。真空には光と4つの力を一定速度Cで伝えると言う特性があります。この超ひもが静止系で、物質の運動とはこの静止系との位置関係です。

真空には何も無く、光と4つの力を伝える粒子が移動しているのであれば、それらの速度がCであることは説明出来ません。それらにエネルギーを加えれば、更に加速する筈です。それを回避する為に、「速度の合成則」により、高速移動すると時間及び空間が変換されるので、Cを超えることは出来ないと説きます。
しかし、ローレンツ変換では、移動する観測者は主観的に時間と空間が変換された様に思うだけです。静止者が見ると、光や4つの力は、幾らでも加速されることになります。
これに比べ、超ひもの上を物質と光及び4つの力が伝わると考えると、それらの速度はCを超えないことが分かります。超ひもの振動自体がCで伝わるので、何者もC以上で移動することは出来ません。
又、静止系を示せなければ、加速度や遠心力によりGが生じることも説明できません。宇宙に粒子が1つあるだけと想定すると、その粒子は動いているのか否か定義できません。他に比べる物質が無いからです。それなのに、その粒子には、現実に運動に応じた一定力のGが掛かります。つまり、他に物質がなくても、「何か」との位置関係に応じたGが粒子には掛かります。運動は物質と物質との相対的位置関係であるとする説では、他に物質が無いので説明出来ません。それに比べ、物質も超ひもの上を伝わると考えると、その「何か」は超ひもであり、物質の伝わる速さや角度に応じたGが掛かることが分ります。

静止系を見つけることが出来れば、逆変換は要件では無くなります。V慣性系において、速度−Vで移動するものは静止系です。静止系において、速度−Vで移動するものは−V慣性系です。静止系と−V慣性系は異なります。静止系においては、C加速出来ますが、−V慣性系ではC+V加速出来ます。両者が同一であることは必要ではなくなります。

従って、ローレンツ変換は、変換及び逆変換が出来ると言う要請から、求められるのではありません。変換及び逆変換が出来るだけなら、物質を動かす4つの力の到達時間の変化を表わすCATBIRD第二変換式、
t’=t*√(C^2−2VC*cosθ+V^2)/C、x’=x−Vt、y’= y、z’=z 
(x=Ct*cosθなので、説明し易い様t’=t*(√(C^2−(2Vx)/t+V^2)/C )とします。)
で十分です。
X軸のみ考えると、t秒後の光の位置(x,y,z)=(Ct,0,0)です。従ってCATBIRD第二変換式は、
①t’=t*(C−V)/C、x’=t*(C−V)、y’= 0、z’=0
となります。変換しても光の速度が一定となる為には、x’=Ct’とならなければなりません。①の通りその要件を満たしています。
今度は、Vを−Vにし、(x,y,z,t)と(x’,y’,z’,t’)とを入れ替えて、逆変換出来るかを検証します。
CATBIRD第二変換は、
t=t’*(√(C^2+(2Vx’)/t’+V^2)/C )、x=x’+Vt、y= y’、z=z’
となります。
t’秒後の光の位置(x’,y’,z’)=(Ct’,0,0)です。従ってCATBIRD第二変換式は、
②t’=t*(C+V)/C、x’=t*(C+V)、y’= 0、z’=0
となります。変換しても光の速度が一定となる為には、x=Ctとならなければなりません。②の通りその要件を満たしています。
従って、変換及び逆変換出来ると言う条件から導出される変換式は、t’=t*(C−V)/C、x’=x−Vtです。この式で、x=Ctと言う世界線は、x’=Ct’と言う世界線に変換されます。また、x’=Ct’と言う世界線は、x=Ctと言う世界線に逆変換されます。「変換を繰り返した時に、その結果の変換式の「形」が同じでなければいけないという原則」も満たします。

次は、2次元の平面で調べてみます。
CATBIRD第二変換式が、正変換で光速度不変の要求を満足するか、調べます。
⑤x^2+y^2+z^2=C^2*t^2
です。
⑥x’^2+y’^2+z’^2=C^2*t’^2
となるか調べます。
左辺=(x−Vt)^2+y^2+z^2=x^2−2Vtx+V^2*t^2+ y^2+z^2
右辺= C^2*t^2*(C^2−(2Vx)/t+V^2)/C^2)= t^2*(C^2−(2Vx)/t+V^2))= C^2*t^2−2Vtx+ V^2*t^2
−2Vtx+V^2*t^2は等しく消えますので、残るのは
⑤x^2+y^2+z^2=C^2*t^2
となり、⑥が常に成立し、CATBIRD第二変換式は光速度不変の要求を満足します。

今度は、CATBIRD第二変換式で、逆変換が出来るか調べてみます。
逆変換式は、
⑦x=x’+Vt’
⑧y=y’
⑨z=z’
⑩t=t’*(√(C^2+(2Vx’)/t’+V^2)/C )
となります。今
⑥x’^2+y’^2+z’^2=C^2*t’^2
は成立しています。そこで、
⑤x^2+y^2+z^2=C^2*t^2
が成立するか調べてみます。
左辺==(x’+Vt’)^2+y’^2+z’^2=x’^2+2Vt’x’+V^2*t’^2+ y’^2+z’^2
右辺= C^2*t’^2*(C^2+(2Vx’)/t’+V^2)/C^2)= t’^2*(C^2+(2Vx’)/t’+V^2))= C^2*t’^2+2Vt’x’+ V^2*t’^2

  1. 2Vt’x’+V^2*t’^2が等しく消えますので、残るのは

⑥x’^2+y’^2+z’^2=C^2*t’^2
となり、⑤は常に成立し、CATBIRD第二変換式の逆変換式は光速度不変の要求を満足します。
三次元でも同じです。Z=0となる様にθの角度を取れば良いだけです。
従って、xの変換式の分母に、ローレンツ因子である√(1−V^2/C^2)を付ける必要はありません。ローレンツ因子は、高速移動に伴う質量増加や物質の収縮の効果を表すものとして、導入されているのです。CATBIRD第二変換式で、xの変換式の分母に、ローレンツ因子である√(1−V^2/C^2)を加えると、ローレンツ変換となります。

ローレンツ変換により変換されるのは、主観的な時間と空間です。

ローレンツ変換は、
t’= (t−(Vx/C^2)) / √(1−(V^2/C^2))
x’=(x−Vt)/√(1−(V^2/C^2))
y’= y
z’= z
です。この式により、高速移動する慣性系の時間と空間が変換され、光の速度は一定と観測されます。
ローレンツ変換は、以下の様にして導くことが出来ます。

高速移動に伴う物質の質量増加、及び物質を動かす4つの力の到達時間の変化を表わした変換式は、以前説明したCATBIRD変換
t’=t*(√(C^2−2CV*cosθ+V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))
(x=Ct*cosθであるので、t’=t*(√(C^2−(2Vx)/t +V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2)としても良い)
x’= (x−(V/C))/√(1−(V^2/C^2))
y’= y/√(1−(V^2/C^2))
z’= z/√(1−(V^2/C^2))
です。この式に、
①x’= x
②y’= y*√(1−(V^2/C^2))
③z’= z*√(1−(V^2/C^2))
を統合すると、ローレンツ変換となります。①から③は、高速移動による物質の収縮率を表わしています。

しかし、客観的時間及び空間が変化することはありません。物質の反応速度が、上記の理由により変化する為、主観的に時間の経過が変化した様に思えるだけです。
主観的時間と客観的時間の意味は、次の様に考えれば分り易いと思います。
自分が、ぜんまいで動くロボットだと想像して下さい。ぜんまいが緩み、自分の動きがゆっくりとなりました。外の世界を見ると、今までの倍の速さでものが動いています。宇宙に流れている時間は、倍の速さとなった様に思えます。しかし、他の人から見ると、私の動きが遅くなっているだけです。実際には、外界の時間経過は変わっていないのに、ぜんまいが緩み自分の動く速度が変わった為、外界の時間経過が変わった様に見えます。この現象を、主観的時間の変化と表現しました。
客観的時間は、宇宙に流れている時間の経過であり、1つしかありません。これが変化したとしても、物理現象に影響することはありません。全てが速くなったり遅くなったりしても、DVDを早送りしたり、スローで見たりする様なもので、結果は同じです。従って、考える必要のないことです。

ローレンツ変換により、移動する観測者の主観的時間及び空間が変換され、光の速度は常にCと観測されます。光速度が不変と観測される主な原因は、物質を動かす4つの力の到達時間の変化にあります。速度Cで移動する光を、同一方向へ速度Vで移動しながら観測すると、その相対速度は(C−V)です。しかし、観測者の主観的時間の経過が(C−V)/C倍と遅くなるので、光の速度は(C−V) /((C−V)/C)=Cと観測されるのです。

光と並走するロケットに乗り、ゆっくりと伝わる光を走って追い抜こうとしても出来ません。私を構成する粒子を動かす力が、抜こうとしている光と同じ速さでゆっくりと伝わるからです。また、私を構成している粒子の動く速さの限界が、抜こうとしている光の速さだからです。私を構成する粒子は非常にゆっくりと動く為、私はゆっくりと行動し思考する様になります。私の持っている時計も、ゆっくりと時を刻みます。その為に、私にはゆっくりと進む光でも、光速Cで非常に速く進んでいる様に見えます。そう言う理由で、今まで光速以外の速度で進む光は、観測されていません。これが、「光速度不変の仕組み」です。

相対性理論における時間と空間とが変化する仕組みを、分かり易く解説します。この仕組みによりローレンツ変換が導かれ、光速度不変の原則を証明出来ました。

 高速運動により、物質の質量が増加することにより、物質は動きにくくなり、物質の変化の速度は遅れ、物質が刻む時間は遅くなります。時計が高速で移動すると、その時計はゆっくりと時を刻む様になります。人間が高速で移動すると、ゆっくりと動き、思考し、年を取る様になります。その変化を数式で表したのが、
 CATBIRD第一変換式
t’=t/√(1−V^2/C^2)
x’=x/√(1−V^2/C^2)
y’=y/√(1−V^2/C^2)
z’=z/√(1−V^2/C^2) (t=時間・xyz=空間の3次元)
です。物質を動かす4種類の力(重力・電磁力・強い力・弱い力)は光速で伝わります。時間がゆっくりと経過する様になると、4種類の力はその分遠くまで届きます。従って、空間はそれだけ伸び、逆に剛体は縮みます。

 又、高速移動に伴い、前方から来る4種類の物質を動かす力は速く伝わり、後方から来る物質を動かす力は遅く伝わる様になります。そうすると、前方から後方へ速く力が伝わり、後方から前方へは遅く力が伝わります。物質の変化の速度が方向により異なることとなり、方向により物質時間の経過が異なることとなります。その変化を数式にしたのが、
 CATBIRD第二変換式
t’=t*√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C
x’=x−Vt  (X軸方向へ移動した分、距離は縮む)
y’=y     
z’=z 
です。
 
 例えば、高速移動により、前方から来る物質を動かす4つの力が速く到達する様になっても、物質を構成する基本粒子の質量が増加するので、物質反応の速度は速くなるのか、遅くなるのかは一概には言えません。2つの変換式を統合した下記のCATBIRD変換式で、時間の変化を確かめることになります。
 CATBIRD変換式
t’=t*(√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))
[※又は、C*t*cosθ=x なので、t’=t*(√(C^2−(2Vx)/t +V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))としても良いでしょう。]
x’=(x−Vt)/√(1−(V^2/C^2))
y’= y/√(1−(V^2/C^2))
z’= z/√(1−(V^2/C^2))
 
 この変換式により、観測者がどの様な速度で動きながら、どちらの方向へ向かう光の速度を観測しても、その速度は常に299,792.5㎞/秒で計れます。
 試しに、(x,y,z,t)=(cosθ,sinθ,0,1)を、√(x'^2+y'^2+z'^2)=c*t'に代入して見て下さい。計算を簡単にする為、z=0の平面上で、1秒間に移動した光を想定していますが、3次元でも、何秒間でも同じ理論です。

 こちらで、詳しく解説していますので、参照下さい。
http://www42.tok2.com/home/catbird/

光速度不変の原則について

 光は、観測する者がどの様に運動しながら観測しても、秒速299,792.5㎞と計れます。その理由は、運動する慣性系においては、時間及び空間3次元の長さが変換されるからです。xyz=3次元の空間・t=時間 θ=観測者の進行方向と光の進行方向との角度とします。 速度Vで運動する慣性系では、時空間は下記の様に変換されます。CATBIRD変換と名付けます。(2乗を^2と表わす)
t’=t*(√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))
「又は、t’=t*(√(C^2−(2Vx)/t +V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2)」としても良いでしょう。
x’= (x−Vt)/√(1−(V^2/C^2))
y’= y/√(1−(V^2/C^2))
z’= z/√(1−(V^2/C^2))
 この変換により、光速は常に一定速度で計れます。
 
 速度Vキロメートル/秒で移動する物質は、質量が1/√(1−(V^2/C^2))倍に増加し、動きにくくなります。そうすると、物質の変化の速度は遅くなり、時間の経過が遅れます。時間の経過が遅れると、光と4つの物質を動かす力は、遠くまで伝播する様になり空間が伸びます。この効果を表したのが、
 第一変換式
t’=t/√(1−V^2/C^2)
x’=x/√(1−V^2/C^2)
y’=y/√(1−V^2/C^2)
z’=z/√(1−V^2/C^2)
です。

 又、前方から来る4つの力は速く、後方から来る4つの力は遅く、物質に伝わります。前方から後方へ時間は速く、後方から前方へ時間は遅く経過します。この効果を表したのが、
 第二変換式
t’=t*√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C
x’=x−Vt(移動分距離は縮む)
y’=y   (変化なし)     
z’=z   (変化なし)
です。第一変換と第二変換を統合すると、上記のCATBIRD変換になります。

 この時空間の変換により
距離=√(x'^2+y'^2+z'^2)=√(C^2+V^2-2CVcosθ)/√(C^2-V^2)
光の速度×時間=Ct'=√(C^2+V^2-2CVcosθ)/√(C^2-V^2)
となり、光の速度は常に、Cキロメートル/秒で不変です。
 詳しくは、
http://www42.tok2.com/home/catbird/
http://catbird.at.webry.info/
を参照ください。